【銘柄研究】Ⅲ.SBIホールディング/SBI新生銀行
4.株価はなぜ上がらない?
・SBIホールディングスはどんな会社?
・競業他社はどんなところ?特徴は?
・決算プレゼン資料を読み解く
https://toushi.pro/344/blog/621/
・株価はなぜ上がらない?(・金利上昇の影響は?)
投資革命 ~株投資・FX・仮想通貨等の投資損益を記録する交流型投資SNS~・楽天+みずほとの比較
・北尾氏の夢
・新生銀行とSBIホールディングのどちらに投資すべきか
4.1. 下落を続ける株価
SBIホールディングスは3,866(26/01/15)の高値を付けて以来、大勢として右肩下がりでほぼ一貫として下げて来ており、7/8には2722まで終値で下がっている
BPRも0.98と1を割り込んでいる
一時期、メガバンクも1を割り込んでいた時期もあったが、今は軒並み上昇して、例えばみずほは1.78。
大きく出遅れている
前節でみたように、EPSという視点で見た場合、SBIホールディングスの評価はメガバンクどころかゴールドマンサックスのような世界一流の金融会社よりも優れているのにもかかわらずである
この章ではなぜSBIホールディングスの株価が低迷しているのかを探っていく
4.2. チャッピー君の考えた理由
4.2.1 初めにチャッピー君の考えた理由
チャッピー君に
Q:株価は6/30の高値を付けてから下落が大きい。 下落の要因は何か PBRが1を切る水準まで下がっている理由は?
と質問した答えの大意は下記である
① 材料出尽くしと利益確定
6月には、暗号資産事業の強化(ビットバンク子会社化)などが発表されたが、利益確定の売りが出ている
② 利益の変動が大きい
SBIの利益は証券/銀行/PE投資/ベンチャー投資/暗号資産など複数事業から構成される。特に投資家は安定的な利益に対してやや慎重な評価をしがち
③ 自己資本比率が低い
SBIは金融持株会社なので、一般事業会社と単純比較はできませんが、連結自己資本比率は低く見える。これは銀行や証券会社を抱えるグループ特有の財務構造によるものですが、「レバレッジが高い」と受け止める投資家も
④ コングロマリット・ディスカウント
SBIは前述したとおり、証券/銀行/保険/PE/暗号資産/Web3/海外金融など事業が非常に多岐にわたります。そのため、「各事業の価値の合計」よりも市場評価が低くなるコングロマリット・ディスカウントを受けやすい
⑤ 業績予想を出していない
SBIは投資事業の影響が大きいため、通期業績予想を開示していない。投資家から見ると利益の予見性が低く、これもバリュエーションが伸びにくい一因です。
⑥一時的な株式売却益が含まれる
PBR1倍未満というバリュエーション慎重に見る材料利益に一時的な株式売却益が含まれる年がある
もちろん、これらの要因も株価低迷の原因になりうるが、一般論的でかつ表層的である。
ここから数日かけて、チャッピー君に新しい視点を提供して対話、深堀をした
4.2.1 対話の後にチャッピー君の考えた理由
数日間にわたって断続的に対話をした後のチャッピー君がまとめた理由は
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第一位 市場調達依存(金利上昇リスク)
第二位 長期構想(地銀ネットワーク)完成まで時間
第三位 利益の質:VC利益/PE利益/評価益
第四位 レイク
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である。
以下、個別に見ていく
なお、この項目の数字はチャッピー君に調べさせたもので、一部で整合性の取れていない点があるが、個別には確認を取っていない点はご注意ください。
①市場調達依存(金利上昇リスク)
SBIは資金調達に銀行借り入れや社債に頼る部分が大きい。
・SBIの祖業がPE事業(VC)や暗号資産だったこと、
・銀行業をグループに取り込んだのが最近であること
・取り込んだ新生銀行が、もともとは日本長期信用銀行(長銀)であり、海外投資ファンド(リップルウッドなど)の支援で再生したノンバンク的な色彩もある銀行であった事
などによる。
2026年3月期連結では、グループ全体で
・顧客預金 約17.5兆円
・社債及び借入金 約7.0兆円(内新生銀行 2.4兆円)
本来なら粘着性がありコストの低い顧客預金で資金需要を賄うべきであるが
・流動性の確保、
・流動性比率確保などの銀行の規制
などの理由で6~8割程度しか運用に廻せない。
また
・新生銀行内で住宅ローン/レイク/一般企業向け融資/不動産ファイナンスのニーズがある
・他企業案件はアレンジしてパッケージ後に新生銀行内で個別審査をする必要がある
などの要素もある
その結果、Gr全体での借入金/社債の金額とっ利回りは下記になる
また最近発行した短期社債の利回りは下記
すでに金利上昇の影響を受けて半年ほどの間に金利が0.64%も上がっている。
金利上昇がどれだけ経営、利益に影響を及ぼすかと言うと
1%上昇すると利益の1/3が吹き飛んでしまう計算になる。
もちろん前章で述べたように、金利が上昇すれば貸出金利は時間差こそあれそれ以上に上がるので利益は減るどころか増えるはずである。
その一方で、コストの安い資金が利用できるのであれば、この損失はなくなるわけでその分更に利益が増えるのも事実である。
金利上昇の環境においてはそのような粘着性のあるコストの低い預金を潤沢に持っている企業と比較すると見劣りするところではある。
②長期構想(地銀ネットワーク)完成まで時間
詳しくは後章でふれるが、前項の弱点を解消できる構想が北尾氏は持っている。第四のメガバンク構想
しかしこの構想が実現するには数年場合によっては10年スパンの時間が必要と考えられるため市場からは評価されにくい
③利益の質:VC利益/PE利益/評価益
これは利益の変動幅が大きいことを示す
通常の銀行業務であれば貸出先は借主の安定収入の上に担保まで取れる住宅ローンなどの安全性が高いものになる。ベンチャー投資などは将来の夢にかけるため成功率が低くまたそれからのリターンも案件ごとに大きく変わってくるため予想利益を計算することはできない。
なのでこの種類の事業から上がる利益は大幅にディスカウントされる
④レイク
SBIグループとレイクの関係は、少し複雑ですが、現在は以下のような構造です。
SBIホールディングス:親会社
SBI新生銀行:SBIホールディングスの連結子会社
レイク:SBI新生銀行が運営する個人向け無担保ローン(カードローン)ブランド
もともとレイクは新生フィナンシャルが展開していたブランドですが、現在はSBI新生銀行グループのリテール金融事業の中核ブランドとなっています。したがって、レイクの利益はまずSBI新生銀行の利益となり、その後連結決算を通じてSBIホールディングスの利益に取り込まれます。
消費者金融事業であり、この事業から推定、
・SBI新生銀行全体 約15~30%(推計、非開示)
・SBIホールディングス全体 約4~8%(上記推計に基づく)
を占める利益が上がっている
景気敏感で規制の影響を受けやすいから利益が変動しやすいという前項と同じ理由に比べ、海外投資家の中にははESGの観点から消費者金融業に投資しにくいタイプもいる
アコム/アイフル/プロミスなどはPBR/PERの視点で一般銀行業より低い評価を市場から受けている
その点はSBI側も理解しており、特に新生銀行レベルでは大黒柱の一つと言っていいこの事業をIRなどの公表資料からは目立たない扱いを受けている。
アイフル事業のディスカウントを定量的に評価するのは困難であるが、一定の影響力はあると推定する。
